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育児・介護休業法への企業対応とは?介護離職を防ぐ職場づくりのポイント

育児・介護休業法への企業対応とは?介護離職を防ぐ職場づくりのポイント

高齢化が進む中、親の介護をしながら働く「ビジネスケアラー」は年々増加しており、企業にとって介護離職防止は重要な経営課題となっています。育児・介護休業法では、介護と仕事の両立を支援するため、企業に対して雇用環境整備が求められています。しかし、「制度は整備したものの利用されない」「相談窓口を設置したが活用されない」といった課題を抱える企業も少なくありません。

介護離職を防ぐためには、法令を遵守するだけではなく、従業員が制度を理解し、安心して相談できる環境を整えることが重要です。

本記事では、育児・介護休業法で企業に求められる対応を整理するとともに、介護離職を防ぐために企業が実践したい取り組みについて解説します。

第1章 なぜ企業に介護離職対策が求められるのか

ビジネスケアラーの増加は企業の経営課題

少子高齢化が進む日本では、40〜50代を中心に親の介護を担いながら働くビジネスケアラーが増えています。

介護は突然始まることが多く、育児のようにあらかじめ準備することが難しいという特徴があります。介護が始まると、通院の付き添いや介護サービスの調整、施設探しなどが必要となり、仕事との両立に悩む従業員は少なくありません。

企業にとっても、介護は従業員個人の問題ではなく、人材確保や組織運営に関わる重要な経営課題となっています。

介護離職は企業にも大きな損失をもたらす

介護離職が発生すると、企業にはさまざまな影響があります。

例えば、

  • 経験豊富な人材の離職
  • 採用・育成コストの増加
  • 業務の属人化
  • 生産性の低下
  • 他の従業員への負担増加

などが挙げられます。

また、離職には至らなくても、介護と仕事の両立に悩むことで仕事への集中力が低下する「プレゼンティーズム」が生じることもあります。

介護離職対策は、人材定着だけでなく、生産性向上や企業競争力の維持にもつながる重要な取り組みです。

第2章 育児・介護休業法で企業に求められる対応

介護離職防止のための雇用環境整備とは

育児・介護休業法では、介護離職防止のための雇用環境整備として、企業に次の4つの取り組みが示されています。

介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施

介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)

自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供

自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知

これらは、介護に直面した従業員が制度を利用しやすい環境を整えることを目的としています。

なお、育児・介護休業法では、この4つのうちいずれか1つ以上の実施が企業に求められています。

制度を整備するだけでは介護離職は防げない

制度があっても、

「制度を知らない」

「相談しづらい」

「利用すると評価が下がるのではないかと不安」

という職場では、制度は十分に活用されません。

そのため、企業には制度を整備するだけでなく、「利用される制度」にするための取り組みが求められます。

特に、介護は誰もが将来直面する可能性があるため、介護が始まってから対応するのではなく、日頃から情報提供や職場づくりを進めることが重要です。

第3章 企業が優先して取り組みたい2つの施策

介護リテラシー向上研修を実施する

4つの雇用環境整備の中でも、最初に取り組みたいのが「介護リテラシー向上研修」です。

介護リテラシーとは、介護保険制度や育児・介護休業法だけでなく、介護が始まった際の対応方法や相談先、公的支援制度などについて正しく理解し、適切な行動につなげるための知識をいいます。

企業が研修を実施することで、

  • 制度を知らないことによる介護離職の防止
  • 管理職の理解促進
  • 従業員の不安軽減
  • 早期相談の促進

といった効果が期待できます。

介護は突然始まることが多いため、「介護が始まってから学ぶ」のではなく、介護に直面する前から知識を身につけておくことが重要です。

相談窓口を「利用される仕組み」にする

相談窓口は設置するだけでは十分ではありません。

重要なのは、従業員が「相談してもよい」と感じられる環境を整えることです。

相談窓口では、介護休業制度だけでなく、

  • 介護保険制度
  • 地域包括支援センターなどの相談先
  • 介護サービスの利用方法
  • 仕事と介護の両立方法

などについて相談できる体制が望まれます。

また、人事担当者だけで対応することが難しい場合は、外部専門家と連携した相談体制を構築することも有効です。

早い段階で相談できる環境が整うことで、介護に直面した従業員は一人で悩みを抱え込まず、仕事を続けながら介護と向き合いやすくなります。

第4章 介護離職を防ぐために企業が実践したい取り組み

利用事例を共有し、制度を「利用しやすい制度」にする

育児・介護休業法では、介護離職防止のための雇用環境整備として、介護休業や介護両立支援制度等の利用事例を収集・提供することが示されています。

制度があっても、「実際に利用した人がいない」「利用すると職場に迷惑をかけるのではないか」と感じる従業員は少なくありません。

そこで、自社で介護休業や介護両立支援制度を利用した事例を共有することで、

  • 制度を利用しても働き続けられること
  • 上司や同僚の理解が得られること
  • 仕事と介護は両立できること

を具体的に伝えることができます。

利用事例は、制度の説明以上に従業員の安心感につながり、介護に直面した際の早期相談や制度利用を後押しする効果が期待できます。

利用促進方針を明確にし、職場風土を変える

もう一つ重要なのが、介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知です。

制度が整備されていても、

「評価に影響するのではないか」

「管理職に言い出しにくい」

という職場では、制度は十分に活用されません。

企業として、

  • 介護と仕事の両立を支援すること
  • 制度利用を推進すること
  • 相談しやすい職場づくりを進めること

を社内へ明確に発信することで、従業員は安心して制度を利用しやすくなります。

制度だけでなく、「利用できる職場風土」をつくることが、介護離職防止には欠かせません。

第5章 育児・介護休業法への対応を企業価値向上につなげる

法令対応を「義務」で終わらせない

育児・介護休業法への対応は、法律で求められる義務である一方、企業にとっては働きやすい職場づくりを進める大きな機会でもあります。

例えば、

  • 介護リテラシー向上研修
  • 相談窓口の整備
  • 利用事例の共有
  • 利用促進方針の周知

を継続的に実施することで、従業員は安心して相談し、制度を利用しやすくなります。

こうした取り組みは、介護離職防止だけでなく、従業員の会社に対する信頼やエンゲージメント向上にもつながります。

介護離職防止は健康経営・人的資本経営にもつながる

今後もビジネスケアラーは増加すると予想されています。

企業が介護離職防止へ積極的に取り組むことは、

  • 人材定着
  • 生産性向上
  • 健康経営の推進
  • 人的資本経営の強化
  • 採用競争力の向上

にもつながります。

また、介護中の従業員は時間的な負担だけでなく、介護費用や医療費などの経済的な不安を抱えているケースもあります。

制度や相談体制に加え、公的支援制度や介護費用に関する情報提供を行うことは、従業員が安心して働き続けるための新たな支援策として期待されています。

これからの企業には、「制度を整える」だけではなく、「安心して働き続けられる環境をつくる」という視点が求められるでしょう。

FAQ

Q1. 育児・介護休業法では企業にどのような対応が求められていますか?

介護離職防止のための雇用環境整備として、

  • 介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
  • 相談体制の整備(相談窓口設置)
  • 利用事例の収集・提供
  • 利用促進に関する方針の周知

の4つが示されています。企業はこのうちいずれか1つ以上の取り組みを実施することが求められています。

Q2. 中小企業でも介護離職対策は必要ですか?

はい。人材確保が課題となる中小企業ほど、経験豊富な従業員の離職は大きな影響を与えます。早期から介護離職対策に取り組むことが、人材定着や採用力向上にもつながります。

Q3. 介護リテラシー向上研修ではどのような内容を学びますか?

介護保険制度や育児・介護休業法だけでなく、介護が始まった際の対応方法、相談先、公的支援制度、仕事と介護を両立するためのポイントなどを学びます。

Q4. 社内だけで相談窓口を運営する必要がありますか?

必ずしも社内だけで対応する必要はありません。介護や制度に詳しい外部専門家と連携することで、より専門的な支援を提供でき、人事担当者の負担軽減にもつながります。

Q5. 介護離職対策は健康経営にもつながりますか?

はい。介護と仕事の両立を支援することは、従業員の心身の負担軽減につながり、人材定着やエンゲージメント向上、生産性向上など、健康経営や人的資本経営の推進にも貢献します。

まとめ

親の介護をしながら働くビジネスケアラーの増加に伴い、介護離職防止は企業にとって重要な経営課題となっています。

育児・介護休業法では、介護離職防止のための雇用環境整備として、「研修」「相談体制の整備」「利用事例の収集・提供」「利用促進方針の周知」が示されています。

しかし、本当に重要なのは制度を整備することではなく、従業員が制度を理解し、安心して相談・利用できる環境をつくることです。

介護リテラシー向上研修や相談窓口の整備をはじめ、企業全体で介護と仕事の両立を支援する職場づくりを進めることが、介護離職防止だけでなく、人材定着や健康経営、人的資本経営の推進にもつながります。

介護離職を防ぐ職場づくりをハンドレッドライフがサポートします

ハンドレッドライフでは、企業の状況に応じたビジネスケアラー支援をご提供しています。

具体的には、

  • 介護リテラシー向上研修
  • 管理職向け介護研修
  • 介護相談窓口の構築・運営支援
  • 育児・介護休業法への対応支援
  • 介護費用や公的支援制度に関する情報提供
  • 健康経営・人的資本経営を見据えた介護離職防止支援

などを通じて、企業が実効性のある介護離職対策を進められるよう支援しています。

「法令対応だけで終わらせたくない」「介護離職を防ぎ、従業員が安心して働ける職場をつくりたい」とお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。