介護が必要な親や家族のために、介護施設を選ぶ際、特別養護老人ホーム(特養)と有料老人ホームの違いを知っておくことは重要です。それぞれの施設には、特徴やサービス内容、入居条件などが異なるため、選択を誤ると、本人や家族に負担がかかることがあります。本ブログでは、特養と有料老人ホームの違いを解説し、どちらを選ぶべきかについてのポイントをまとめました。
目次
1. 特養と有料老人ホームとは?
1-1 特別養護老人ホーム(特養)の特徴
特別養護老人ホーム(特養)は、要介護3以上の認定を受けた高齢者が入居できる公的な介護施設です。介護度が高い利用者が中心で、24時間体制の介護サービスが提供されます。また、利用料金は所得に応じて段階的に設定されるため、比較的費用負担が軽くなることが多いのが特徴です。ただし、人気が高いため待機者が多く、入居までに長期間待つことがあります。
1-2 有料老人ホームの特徴
有料老人ホームは、民間企業が運営する介護施設で、さまざまなタイプのサービスが提供されます。介護付き、住宅型、健康型などがあり、介護度や希望に応じて選択することが可能です。入居条件は比較的緩やかですが、特養と比べて費用が高額になることが一般的です。また、介護サービスの質や提供されるサービス内容は施設によって大きく異なるため、事前の調査が不可欠です。
2. 入居条件と対象者の違い
2-1 特養の入居条件
特養に入居できるのは、原則として要介護3以上の高齢者です。要介護1や2の方でも、特別な事情がある場合には入居が認められることがありますが、基本的には介護度が重い方を優先的に受け入れる施設です。また、入居するためには市町村の申し込みが必要で、空きが出るまで待機する必要があります。
2-2 有料老人ホームの入居条件
有料老人ホームでは、比較的幅広い高齢者が入居できます。健康型老人ホームであれば、自立した生活ができる高齢者を対象にしており、介護が必要な方は入居できません。一方で、介護付き有料老人ホームでは、要支援から要介護の高齢者まで対応しているため、介護が必要になった段階でも安心して住み続けることができます。
3. 介護サービスの内容の違い
3-1 特養での介護サービス
特養では、24時間体制で介護スタッフが常駐しており、食事や入浴、排泄などの日常生活の介助が提供されます。また、医師や看護師が定期的に訪問して医療ケアを行う体制が整っているため、医療依存度が高い高齢者にも適しています。ただし、リハビリなどのサービスは少ないため、身体機能の維持や回復を目指す方には向いていない場合もあります。
3-2 有料老人ホームでの介護サービス
有料老人ホームでは、施設ごとに提供される介護サービスが異なります。介護付き有料老人ホームでは、24時間体制で介護スタッフが常駐し、介護が必要な入居者に対して手厚いサービスが提供されます。住宅型有料老人ホームでは、介護が必要な場合、外部の訪問介護サービスを利用する形になります。リハビリやレクリエーションなど、利用者の生活を豊かにするプログラムも提供されることが多いです。
4. 費用の違い
4-1 特養の費用
特養の費用は、所得に応じて段階的に設定されており、比較的安価であることが特徴です。公的な支援があるため、年金や公的補助を利用して入居費用を賄うことが可能です。また、医療費や介護サービス料も基本的には公的介護保険で賄われるため、家族の負担が少なくなります。ただし、生活費や日用品費などの負担は別途かかります。
4-2 有料老人ホームの費用
有料老人ホームの費用は、施設のランクや提供されるサービスによって大きく異なります。入居一時金がかかる施設が多く、その額は数百万円から数千万円に達することもあります。また、月額の利用料も高額で、特養に比べて家族の負担が大きくなりがちです。介護サービスや医療ケアの質を求めるほど、費用が高額になる傾向があります。
5. どちらを選ぶべきか?それぞれのメリットとデメリット
5-1 特養のメリットとデメリット
特養の最大のメリットは、費用が安く、要介護度が高い方に対して手厚い介護サービスが提供されることです。一方で、入居までの待機期間が長い場合があることがデメリットです。また、リハビリやアクティビティの提供が少ないため、身体機能の維持を目指す方には向かない場合があります。
5-2 有料老人ホームのメリットとデメリット
有料老人ホームは、入居のハードルが比較的低く、介護が必要になった場合でも継続して利用できる点がメリットです。また、施設によってはリハビリやレクリエーションなど、生活の質を高めるためのサービスが充実していることも魅力です。しかし、費用が高額で、家族にとって経済的負担が大きくなる点がデメリットです。
まとめ
特養と有料老人ホームは、それぞれに異なる特徴やメリット、デメリットがあります。特養は、要介護度が高く、費用負担を抑えたい場合に適している一方、有料老人ホームは、サービスの幅が広く、介護度が進んでも継続して利用できる柔軟性があります。選択肢を決める際には、家族や本人の健康状態、経済的状況、そして今後のライフプランを総合的に考慮して判断することが重要です。
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